映画『ハンコック』の感想
ハンコックは、超能力を持った警官の物語です。
銃弾にも傷つかず、列車も破壊し、空も飛び、凶悪犯罪の解決や普通ではできないような人助けを行うのですが、同時に派手に器物を壊してしまい、その節操のないやり方に世の人の反感を買っている警察官が主人公です。
有名ではあるのですが、マスコミにも「これでいいのか」と批判的に取り上げられ、本人の心も傷ついています。
しかし、そんなある日に、ちょっとこのところさえないPRマン(PRの仕事をしているビジネスマン)を助け、その男性との出会いをきっかけに、物語が展開していきます。
予告編を見たときには、なんだかストーリーが浅い映画なのではないかと感じて、「劇場で見ることはないかな」と思っていました。
ただ、たまたま何かの映画を見ようと思って、どんな映画があるのかなとインターネットで調べたときに、ストーリー案内の文章を見て少し関心を覚え、劇場で見てみることにしました。
どのような文章だったかはうるう覚えになってしまいますが、
「嫌われ者の警官ヒーローが、ある出来事をきっかけに大きく変わる」といったような内容だったと思います。
登場人物ががらりと変化する、というのは興味を引かれる内容ですよね。
やはり我々自身が変化をせざるを得ない存在、そのなかでいい方向への変化を望んでいる存在ですから、そのヒントをもらおうと思ったり、「変化に自ずから挑戦したり、何かを起点に変わっていくストーリー」に気がとまるのかも知れません。
ハンコックはPRマンとの出会いから、徐々に彼の家族との触れ合いをはじめ、彼のアドバイスを受けて、街の嫌われ者を脱する努力をすることを決意します。
それはもちろん簡単な道のりではないのですが、その道程を乗り越え、皆から称賛される本物のヒーローへと近づいていくのです。
私がひとつポイントだと感じたのは、変化のための自制心ということです。
自分を変えていくためには、ある一定以上の時間がかかります。
得てして私たちは自分の境遇に対して短期間での変化を望んでしまいがちですが、実際にはそれほど簡単ではないことが多いと思います。
変化の兆しが見られずに焦ったり、途中で障害が生じてきて、結果あきらめたくなったりすることもあるでしょう。
それを乗り越えていくために必要なもののひとつが自制心だと思います。
自分をうまくコントロールして、変化が本物になるまで、頑張って継続していくのです。
それを上手にシステム化できる人が、変化が上手な人なのかも知れませんね。
ハンコックも、変化の途上、「こんなことに意味があるのか」「いっそのことやめて、もとの自分でいこうか」と思うこともありました。
そういった自己との闘いを超えていったのです。
変化をしようと努力しているとき、自分の内面で大なり小なりの葛藤が生じてきます。
それらを上手に乗り越えられる人が、成功していきます。
そんなことをハンコックから教えていただきました。
あまり期待を持たずに行ったからかも知れませんが、思ったよりは面白い映画だと感じました。
映画を5本見て4本くらいは「見てよかった。得るものがあった」と思える人はご覧になるといいと思います。
それが1、2本くらいの方は恐らくご覧にならないほうがいいです。
(ジャンルやストーリーに好みがあるでしょうから、一概には言えませんが。)